息づかいと声づかい

 

息づかいと声づかい

 
 
 

肥田式強健術は「武道の精華たる気合を以て鍛錬する」と云われておりますが、気合は
ボイストレーニング等の声づかいとは違います。 腹から声を押し出して行く息遣いなのです。
腹から声を出すには横隔膜をコントロールする必要があり、不随筋である横隔膜は人間の意志
ではコントロールできないため呼吸筋群を使って間接的にコントロールして行きます。

 

この横隔膜のコントロールができるとどのような効果があるかと云いますと、感情・情動の
コントロールが可能になります。
不安、恐怖心があると持っている能力が使えなくなります。 人間にとって如何にこの部分を
コントロールするかがネックになります。
 
かの有名な中村天風氏も緊急時に心を乱さない心得として下記のように解りやすく語っておられます。
    < 肛門を閉める。 下腹に力を込める。 首や肩の力を抜く。>
肥田式強健術で行っている鍛錬と天風先生がおっしゃっていることは全く同じことなのです。

 
 

頭で理解できても実際に身体を上記のようにするには生理自然の身体の動き方を知る必要があります。
この地球上には目に見えない重力がかかっており、この重力の反動力を使わない限り、上半身から力を
抜くことができません。下半身と上半身の動きに反動力が生じるように使って行くのです。
上半身を反動力で使うようにして行くことで上半身の力が抜けるのです。
身体の使い方で一般的には上半身リードの小手先で動いてしまいます。これではすぐに疲れてパニックを
起こしやすくなるため能力は引き出されません。下半身リードで上半身が弓のように動けるように訓練し
て行きます。身体の動きと呼吸は切っても切れない状態で常に連動させて使って行きます。

 

息遣いは呼吸筋群を使って不随筋である横隔膜をコントロールし、丹田に力を集中させる為のもので只の
呼吸法ではないのです。 この息遣いはイキミ呼吸を使い、生理的呼吸を呼吸力に変え、究極の気合に
持って行きます。気合の声には振動が生まれます。私もまだ気合は習得しておりませんが、鍛錬が終わった
ばかりの普段の声が厨房の寸胴鍋等にビーンと共鳴します。

 

以前に人の腰(丹田)に気合を入れるとどうなるのかを実験したことがあります。(私ではありませんよ)
気合を入れた時にテロメアを計るとこのテロメアが上がることが確認できたのです。
昔から云われている丹田を造る意味が理解できたのです。
良い音楽等の良い振動が起こり人を癒してくれたり、病気も治してくれる素晴らしいものなのですね。

 
 

※注釈 テロメアとは
テロメアの量でその人の寿命がわかると云われております。
このテロメアの発見でアメリカの学者達がノーベル賞をもらっております。

 

                       たなか幽月

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